AFへの新規凝固第XI因子(FXI)阻害薬abelacimab第2相をクリア:AZALEA-TIMI 71
Abelacimab versus Rivaroxaban in Patients with Atrial Fibrillation
背景
Abelacimabは新規凝固第XI因子(FXI)阻害薬で、心房細動(AF)患者に対する有益性が期待されている。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのRuffら(AZALEA-TIMI 71)は、中等〜高度の脳卒中リスクを有するAF患者1,287名を、盲検下でabelacimab皮下注(150 mgまたは90 mgを月1回)と、非盲検下でリバーロキサバン経口投与(20 mgを1日1回)する群に割り付ける第2相試験を行った。
一次エンドポイントは、大出血または臨床的に重要な非大出血の複合であった。
結論
Abelacimabによる出血イベントの減少が予想を上回ったため、試験は早期中止された。一次エンドポイント発生率は、abelacimab 150 mg、abelacimab 90 mg、リバーロキサバンで各100人年あたり3.2、2.6、8.4件であった(abelacimab 150 mg vs. リバーロキサバン、abelacimab 90 mg vs. リバーロキサバンのHR 各0.38と0.31)。有害事象の発生率と重症度は3群で同様であった。
評価
Anthos Therapeuticsの創薬で、出血リスクの低さで早くから注目されており、この第2相でも劇的な効果を示した。この試験では脳卒中・全身性塞栓症の発生率自体が低く、比較は困難だが、出血に対するような劇的な効果はみられていない。最終結論は、進行中の第3相LILAC-TIMI 76試験を待つことになる。