心筋梗塞後患者へのECMハイドロゲル治療第1相を通過
First-in-Man Study of a Cardiac Extracellular Matrix Hydrogel in Early and Late Myocardial Infarction Patients
背景
心臓細胞外マトリックス(ECM)ハイドロゲルの初めての臨床試験が第1相を通過した。Minneapolis Heart InstituteのTraverseらによるもので、Ventrix社のVentriGelを、心筋梗塞後60日〜3年を経たPCI後の心室機能低下(25%≦LVEF≦45%)患者15名に対し、経カテーテル的に心筋導入した。一次エンドポイントは、有害事象の発症と検査値異常である。
結論
第一例の三枝ブロック患者でショック・完全房室ブロックが起こり、以後はこれを除外基準とした。第二例以後の患者では重大有害事象は起こらず、重要な検査値異常もなかった。6MWD等で有効性が示唆された。
評価
ブタ心臓結合組織から生成されたパウダーを液状化した製品で、体内温になるとゲル化する、という。導入手技の非侵襲性が大きい。幹細胞による再生医療のパラダイムが苦戦する中、このような非細胞バイオマテリアル使用が代替パラダイムとなる可能性もある。