救急からの入院率は医師によってばらつきが大きいが、死亡率に差はない:米調査
Variation in Emergency Department Physician Admitting Practices and Subsequent Mortality

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
December 2024
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開始ページ
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背景

救急を受信した患者を入院させるかの判断は医師によってばらつきがあると考えられるが、医師ごとの入院率の差はアウトカムの差となって現れるのか?
アメリカDavid Geffen School of Medicine at UCLAのCoussensらは、退役軍人の電子健康記録データを用い、同じ救急外来に勤務する医師の入院率のばらつきと、入院率と24時間入院・30日死亡率との関連を推定した。

結論

105ヵ所の救急外来で、計2,137,681名の患者を診察した、2098名の医師が対象となった。
患者は平均63歳、女性は9.8%であり、平均入院率は41.2%、30日死亡率は2.5%であった。
調整入院率は、同じ救急内の医師であっても大きく異なっており、胸痛患者を例にすると、90パーセンタイルの医師の入院率は56.6%、10パーセンタイルの入院率は32.6%であった。また、救急受診前の併存症指標(ECI)と調整入院率との間に関連は認められなかった。
一方で、入院率が高い医師によって入院させられた患者は24時間以内の退院が多く(31.0% vs. 24.8%)、死亡率は入院率の低い医師の患者と変わらなかった。これはより長期の死亡率についても同様であった。

評価

同じ救急に勤める医師であっても患者処遇には大きな差があり、しかもこの差は患者の基礎状態や死亡リスクとは関連しなかった。
アウトカムの改善につながらない不要な入院が行われている可能性が高く、こうした差を引き起こす原因に焦点を当てる必要がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)