大気汚染はVTEリスク増加につながるか?
Air pollution is associated with increased risk of venous thromboembolism: the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Blood
年月
December 2024
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背景

大気汚染への慢性曝露は静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク増と関連するか。
アメリカUniversity of MinnesotaのLutseyらは、アテローム性動脈硬化症多民族研究(MESA)の45〜84歳の参加者6,651名を約17年間追跡するコミュニティベース前向コホート研究を行った。大気汚染は、コホート固有のモニタリングを組み込んだ検証済みの時空間モデルで評価した。追跡期間中2週間毎の4つの大気汚染指標(PM2.5・NOx・NO2・O3)の平均を算出し、参加者レベルの慢性曝露を推定した。入院退院コードを使用してVTEの発生を特定した。

結論

追跡期間中に発生したVTEは248件であった。人口統計・健康行動・BMIの調整後、PM2.5の3.6 μg/m3上昇毎のVTE発生のハザード比(HR)は1.39、NO2濃度の13.3 ppb上昇毎で2.74、NOxの30 ppb毎で2.21であった。O3は関連がなかった。

評価

すでにデータの多いテーマで、この論文発表後にLancet Hematologyが総説を掲載している。そこでは、世界人口の90%が汚染大気に曝露されていること、心血管疾患との関連は明らかなこと等を明示しているが、VTEとの関連は未だ明らかでない、ともしているhttps://www.thelancet.com/journals/lanhae/article/PIIS2352-3026(24)00291-6/abstract)。この論文によって、NO2・NOX・PM2.5への長期曝露が血液凝固を促進する可能性があることが示された。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)