コーヒーとお茶は頭頸部がんのリスク低下と関連
Coffee and tea consumption and the risk of head and neck cancer: An updated pooled analysis in the International Head and Neck Cancer Epidemiology Consortium
背景
コーヒーと茶は世界中で消費される嗜好飲料であり、がんリスクとの関連も数多く調査されてきた。ただし、頭頸部がん(HNC)では一貫した関連性は認められていない。
アメリカUniversity of California Los AngelesのNguyenらは、International Head and Neck Cancer Epidemiology(INHANCE)コンソーシアムの患者個人レベル症例対照研究14件から、HNC症例9,548名と対照症例15,783名のプール解析を行い、コーヒー(カフェイン入り/カフェインレス)・茶と頭頸部がんとの関連を検討した。
結論
コーヒーを飲まない個人と比較して、1日4杯以上のカフェイン入りコーヒーを飲むことは、HNC(オッズ比 0.83)・口腔がん(0.70)・中咽頭がん(0.78)と逆相関していた。3-4杯のカフェイン入りコーヒーの飲用は下咽頭がんと逆相関した(0.59)。また、0〜1杯のカフェインレスコーヒーの飲用は口腔がんと逆相関した(0.75)。
茶の飲用は下咽頭がんと逆相関した(0.71)。0〜1杯の茶の飲用は、HNC(0.91)・下咽頭がん(0.73)と逆相関したが、1杯以上の飲用は喉頭がんと相関した(1.38)。
評価
全体としてコーヒーおよび茶の摂取は、頭頸部がんのリスク低下と関連した。
本研究は、紅茶の消費が主なヨーロッパ・北米の研究が主体であり、緑茶と頭頸部がんの関連については別の研究を必要とする。