血流感染症における抗菌薬投与期間は7日間でよい:BALANCE試験
Antibiotic Treatment for 7 versus 14 Days in Patients with Bloodstream Infections

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2024
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背景

感染症に対する抗菌薬療法の期間短縮が近年のトレンドとなっており、市中・院内感染肺炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎などで以前より短い期間の抗菌薬療法が非劣性を実証している。
カナダSunnybrook Health Sciences CentreのDanemanらは、世界7ヵ国74施設で、血流感染症を有する入院患者(集中治療室を含む)を、7日間または14日間の抗菌薬治療へと割り付け、90死亡率についての非劣性を検証する医師主導多施設共同ランダム化非劣性試験、BALANCE試験を実施した(n=3,608)。

結論

登録時点で55.0%がICUに入室しており、45.0%は病棟入院であった。感染経路は市中感染が75.4%、病棟感染が13.4%、ICU感染が11.2%、原発部位は尿路が42.2%、腹部が18.8%、肺が13.0%、血管カテーテルが6.3%、皮膚・軟部組織が5.2%であった。
90日死亡率は7日コース群14.5%、14日コース群16.1%であり、%ポイントの群間差の信頼区間上限は非劣性マージン内であった。
7日コース群では23.1%、14日コース群では10.7%が、指定された期間よりも長期の治療を受けたが、per-protocol解析でも非劣性が示された。

評価

血流感染症における抗菌薬投与期間は、10日または14日が選択されることが多いとされるが、この国際臨床試験からは7日間の投与が安全であることが確認された。実践の変更を促すエビデンスとなる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)