心停止患者での初回アクセスは骨髄路でも静脈路でも良い:PARAMEDIC-3試験
A Randomized Trial of Drug Route in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
心停止の二次救命処置における骨髄路からの薬物投与は、迅速な確保が可能な一方、静脈路と比してアウトカムが悪化することが示唆されている。ただし、骨髄路はセカンドオプションとして選択されるケースも多いことから、観察研究では交絡の可能性が排除できなかった。
イギリスUniversity of WarwickのCouperらは、同国11の救急医療システムにおいて血管確保を必要とした成人心停止患者を対象に、初回アクセス戦略として骨髄路確保または静脈路確保を割り付け、30日死亡率を比較する多施設RCT、PARAMEDIC-3試験を実施した(n=6,082)。
結論
30日生存率は骨髄路群4.5%、静脈路群5.1%であった(調整後オッズ比 0.94)。
神経学的良好アウトカムでの退院率は、骨髄路群2.7%、静脈路群2.8%であり(0.91)、自己心拍再開率はそれぞれ36.0%、39.1%であった(0.86, 有意)。有害事象は、骨髄路群で1件報告された。
評価
計画の4割程度の登録で終了した試験であるが、骨髄路か静脈路かの違いは一次アウトカムに影響を与えなかった。
今年夏に発表された台湾のVICTOR試験(https://doi.org/10.1136/bmj-2024-079878)、本論文と同時にNEJM誌に公開されたデンマークのIVIO EU試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2407616)とも一致する無効結果であり、結論的と言えるだろう。