トリプルネガティブ乳がんの術前治療、Camrelizumabも上乗せ効果示す:CamRelief試験
Camrelizumab vs Placebo in Combination With Chemotherapy as Neoadjuvant Treatment in Patients With Early or Locally Advanced Triple-Negative Breast Cancer: The CamRelief Randomized Clinical Trial
背景
Camrelizumabは、複数の腫瘍タイプで強力な抗腫瘍活性を示している、中国発の抗PD-1モノクローナル抗体である。
中国Fudan University Shanghai Cancer CenterのChenらは、同国40施設の早期または局所進行トリプルネガティブ乳がん女性における術前治療として、camrelizumab+化学療法併用、またはプラセボ+化学療法併用を割り付け、病理学的完全奏効率を比較する第3相RCT、CamRelief試験を実施した(n=441)。
結論
病理学的完全奏効はcamrelizumab併用群の56.8%、化学療法群の44.7%で達成された。
グレード3以上の有害事象はcamrelizumab併用群の89.2%、化学療法群の83.1%で、重篤有害事象は各34.7%、22.8%で発生し、致死的有害事象がcamrelizumab併用群の2名(0.9%)で発生した。
評価
トリプルネガティブ乳がんの術前治療では、KEYNOTE-522試験のペムブロリズマブ、IMpassion031試験のアテゾリズマブが上乗せ効果を示しているが、本試験のcamrelizumabも病理学的完全奏効率の改善を示した。
ペムブロリズマブ・アテゾリズマブはいずれも生存アウトカムの改善も示しており、現時点ではimmatureであったcamrelizumabの生存アウトカム結果も注目される。