急性呼吸不全患者の呼吸補助でハイフローセラピーはNIVに非劣性:RENOVATE試験
High-Flow Nasal Oxygen vs Noninvasive Ventilation in Patients With Acute Respiratory Failure: The RENOVATE Randomized Clinical Trial
背景
高流量経鼻酸素(HFNC、ハイフローセラピー)は、非侵襲的呼吸管理(NIV)と比して利用が簡便で、患者にとっても快適性が高いが、急性呼吸不全(ARF)におけるNIVの安全なオルタナティブであるかは不明である。
ブラジルHcor Research InstituteのMaiaらは、ARFを呈する成人入院患者を5つの患者グループに分類し、HFNOまたはNIVによる呼吸補助療法を割り付け、7日目までの気管挿管または死亡についてのHFNOの非劣性を評価するRCT、RENOVATEを実施した(n=1,800)。
結論
中間解析の結果、低酸素血症を伴う免疫不全患者グループの登録は中止された。また、コロナ禍以降、低酸素性COVID-19患者グループが新たに追加された。
患者グループ全体での7日以内の挿管・死亡は、HFNO群で39%、NIV群で38%であった。低酸素血症を伴う免疫不全患者グループではHFNO群57.1%、NIV群36.4%であり、非劣性基準を満たさなかったが、他の4つの患者グループではHFNOの非劣性基準を満たした。
評価
5つのARF患者のサブグループのうち、4つでHFNOの非劣性が確認された。
ただし、低酸素性COVID-19グループと低酸素血症を伴う非免疫不全グループが登録患者の大半を占めており、それ以外のグループではさらなる検証が必要だろう。


