hs-cTnはAMI疑い患者のMACE指標
Predicting Major Adverse Events in Patients With Acute Myocardial Infarction
背景
AMI疑い患者では、早期のMACEリスク評価が重要である。スイスUniversity Hospital BaselのMuellerら(APACE)は、来院1時間時点でのhs-cTn値(ESC hs-cTnT 0/1 h algorithm)に臨床像と心エコー所見を加えること(extended algorithm)でMACE予測が改善するかどうかを検証する前向診断試験を行った(n=3,123)。一次エンドポイントは、30日以内の全死因死亡・心停止・AMI・心原性ショック・心室性不整脈・高度房室ブロック(MACE)である。
結論
ESC hs-cTnT 0/1 h algorithmはextended algorithmより除外能が優れ、一次エンドポイント予測能は同等で、陰性的中率は99.4%であった。また、擬陽性も少なく、陽性的中率もextended algorithmより高かった(76.6% vs. 59%)。
評価
著者らの結論は、「ESC hs-cTn 0/1 hアルゴリズムはMACE予測に有効・安全だが、30日以内のMACE+不安定狭心症の除外に関してはextendedアルゴリズムの方がすぐれている」というものだが、「hs-cTnはAMI疑い患者のMACE指標になる」ということであろう。


