スピロノラクトンのMI後心血管イベント抑制効果を否定:CLEAR試験
Routine Spironolactone in Acute Myocardial Infarction
背景
心筋梗塞(MI)後のスピロノラクトンのルーチン使用は有益か。
カナダHamilton General HospitalのJollyら(CLEAR SYNERGY[OASIS-9])は、14ヵ国104施設において、PCI後のMI患者7,062名を対象に、スピロノラクトン投与をプラセボと比較するRCTを行った(追跡期間中央値3年)。
一次アウトカムは、(1)心血管死または心不全(HF)の新規発症/増悪の複合、(2)MI・脳卒中・HFの新規発症/増悪または心血管死の初回発生の複合、である。
結論
スピロノラクトンの一次アウトカム効果を認めなかった(aHR (1)0.91, (2)0.96)。重篤有害事象は実薬群の7.2%、プラセボ群の6.8%に発生した。
評価
同研究はコルヒチンアームも持っていたが、その有効性も否定されている。このセッティングでのMRAに関しては、REMINDERとALBATROSSが矛盾結果を出しており、スピロノラクトンもスタンダードには成り得ないことが確実となった。ただし、著者らは、心不全リスクの低減は確からしい、と強調している。