心筋梗塞によるショック患者でのImpellaは代謝を改善し、循環作動薬を減らす
Microaxial Flow Pump Hemodynamic and Metabolic Effects in Infarct-Related Cardiogenic Shock: A Substudy of the DanGer Shock Randomized Clinical Trial
背景
DanGer Shock試験は、ヨーロッパ3ヵ国14施設で、心原性ショックを合併したST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者を対象に、経皮的マイクロ軸流ポンプカテーテル(MAFP; Impella CP)+標準治療と標準治療のみを比較する国際共同ランダム化比較試験であり(n=360)、RCTとしては初めてImpellaのベネフィットを証明した(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2312572)。
デンマークOdense University HospitalのUdesenらは、同試験のサブスタディとして、MAFPが血行動態を損なうことなく、循環作動薬の使用を削減するかを検証すべく、血行動態(心拍数・血圧)、代謝状態(動脈乳酸濃度)、循環作動薬の使用(Vasoactive-Inotropic Score)を解析した。
結論
カテーテル室、またはICU入室直後に死亡した患者を除く、324名が対象となった。
心拍数に群間で差はなく、平均動脈圧も両群で治療目標(65 mm Hg)を上回ったが、VISはMAFP群で低かった。また、ランダム化時点で乳酸値に群間差はなかったが、ICU到着時点ではMAFP群で有意に低く(平均差1.3 mmol/L)、この差は最初の24時間を通して持続した。
評価
MAFPは血行動態を維持し、乳酸代謝を改善し、循環作動薬の使用を削減した。
同テーマで行われていたRECOVER IV試験は、DanGer Shock試験の成功を受けて早期終了しており、サブスタディから得られるデータは貴重である(https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.124.072370)。


