便潜血検査の検出率は検査キットによって大きなばらつき:アメリカ調査
Comparative Performance of Common Fecal Immunochemical Tests : A Cross-Sectional Study
背景
便潜血検査は、大腸がん死亡率を低下させる効果が認められ、世界の多くの国で大腸がん検診の主力として利用されている。ただし、検査キットにはさまざまな選択肢があり、それらを単一のクラスとみなして良いかは不明である。
アメリカUniversity of IowaのLevyらは、同国の3つの大学医療センターと、その内視鏡検査室で、検診またはサーベイランス大腸内視鏡検査を受ける50〜85歳(n=3,761)の患者を対象に、定性便潜血検査(Hemoccult ICT, Hemosure iFOB, OC-Light S FIT, QuickVue iFOB)、定量便潜血検査(OC-Auto FIT)のadvanced neoplasia(進行したポリープまたは大腸がん)検出パフォーマンスを比較する横断研究を実施した。
結論
Advanced neoplasiaを有した患者は320名(8.5%)で、9名(0.2%)が大腸がんであった。
検査の陽性率は、3.9%から16.4%まで4倍以上のばらつきがあった。また、0.2%〜2.5%の検査は評価不能であった。Advanced neoplasiaへの感度は10.1%〜36.7%で、Hemosure iFOBとQuickVue iFOBを除いて、統計的に有意な差があった。特異度は85.5%〜96.6%と、すべての検査について有意差が認められた。
評価
アメリカで一般的に使用される便潜血検査ブランドを比較した研究で、各検査の検出パフォーマンスに驚くほど大きな差がみれることを明らかにした。
著者らはこれらの検査に互換性を想定すべきでないとも述べており、検査戦略を評価する上で念頭におくべき事実である。


