二重特異性抗体Glofitamab、DLBCLの二次治療で第3相有効性を示す:STARGLO試験
Glofitamab plus gemcitabine and oxaliplatin (GemOx) versus rituximab-GemOx for relapsed or refractory diffuse large B-cell lymphoma (STARGLO): a global phase 3, randomised, open-label trial
背景
Glofitamabは、B細胞上のCD20と、T細胞上のCD3を標的とする二重特異性抗体であり、2ライン以上の治療歴を有する再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を対象とした第1相・第2相試験において、高い完全奏効率、持続的な奏効を示している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2206913)。
アメリカMassachusetts General Hospital Cancer CenterのAbramsonらは、アジア・オーストラリア・ヨーロッパ・北アメリカの13ヵ国62施設で、1ライン以上の治療歴を有し、幹細胞移植の適応がない再発・難治DLBCL患者に対して、glofitamab+ゲムシタビン-オキサリプラチン(Glofit-GemOx)療法、リツキシマブ(R)-GemOx療法を2:1で割り付け、有効性(全生存期間)・安全性を検証する第3相RCT、STARGLOを実施した(n=274)。
結論
全患者が試験治療を完了した時点での更新解析(追跡期間の中央値20.7ヵ月)において、全生存期間の中央値はGlofit-GemOx群で25.5ヵ月、R-GemOx群で中央値12.9ヵ月と、Glofit-GemOx群で有意に改善された(ハザード比 0.62)。
Glofit-GemOx群の100%、R-GemOx群の96%が有害事象を経験した。Glofit-GemOx群の44%でサイトカイン放出症候群が発現したが、大半は低グレードであった。Glofitamabまたはリツキシマブに関連した死亡は、Glofit-GemOx群の3%、R-GemOx群の1%で発生した。
評価
再発・難治DLBCLのセカンドラインにおいて、glofitamab併用治療は全生存期間を有意に延長した。
日本でも開発が進んでおり、初発LBCLを対象とした第3相試験が実施されている(jRCT2051230190)。