「HFpEF」は単一疾患ではない？

Age-Related Characteristics and Outcomes of Patients With Heart Failure With Preserved Ejection Fraction

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背景

若年HFpEF（駆出率維持心不全）患者は高齢患者と違うのではないか。イギリスUniversity of GlasgowのMcMurrayらは、3つの大規模臨床試験（TOPCAT・I-PRESERVE・CHARM）参加者の個人患者レベルデータを解析した（n=8,472）。

結論

55歳以下の患者は肥満・非白人が多く、高齢患者ではAF・高血圧・CKDを合併した白人女性が多かった。55歳以下では合併症が少ないにもかかわらず、85歳以上よりQOLが低かった。高齢患者のHFpEF死亡リスクは若年者よりはるかに高かったが（HR:6.9）、全体的には非心血管疾患因死亡の方が多かった。若年患者の死因は突然死が多かった。

評価

この問題に関する初めての大規模解析で、HFpEFが異質な病態の集合であることを強く示唆した。JACC Editorialは、この研究での85歳以上患者が1930年代の大不況期生まれであるのに対し、55歳以下患者が1960年代の富裕期生まれである、という面白い指摘をしている。