AFを伴う急性虚血性脳卒中後のDOAC早期開始に問題なし:OPTIMAS
Optimal timing of anticoagulation after acute ischaemic stroke with atrial fibrillation (OPTIMAS): a multicentre, blinded-endpoint, phase 4, randomised controlled trial
背景
心房細動(AF)を伴う急性虚血性脳卒中(AIS)患者に対する直接経口抗凝固薬(DOAC)開始の最適なタイミングは。
イギリスUniversity College LondonのWerringらは、同国内100施設の同患者3,621名を対象に、DOACの早期開始(脳卒中症状発現から4日以内)と遅延開始(7〜14日)の有効性と安全性を比較する第4相RCTを実施した。
一次アウトカムは、90日後の再発性虚血性脳卒中・症候性頭蓋内出血・分類不能脳卒中・全身性塞栓症の発生の複合である。
結論
一次アウトカムは、早期開始群の3.3%、遅延開始群の3.3%に発生した(調整リスク差[RD] 0.000)。調整RDの95%CI上限は、非劣性マージン2パーセントポイント未満であり、優越性は確認されなかった。症候性頭蓋内出血は、早期開始群の0.6%、遅延開始群の0.7%で発生した。
評価
早期DOAC開始に関する最大のRCTで、TIMING(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36065821/)・ELAN(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37222476/)・START(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31423922/)等の他試験と一致し、その安全性を再保証し、現在一般的な、遅延ガイドラインの変更を示唆する。著者らは、早期DOAC開始には、退院前に二次予防治療を開始する患者の割合を改善するという潜在的な実際的利点もある、としている。