PCSK9阻害薬の心血管効果をメタ解析
Efficacy and safety of alirocumab and evolocumab: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
背景
PCSK9阻害薬の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスク低減効果に関する研究が集積されている。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMehranらは、alirocumab・evolocumabのASCVD効果と安全性を検証した39 RCT(n=66,478[alirocumab:14,639、evolocumab:21,257、対照:30,582])を対象とするシステマティックレビュー・メタ解析を行った。一次エンドポイントは、全死因死亡・心血管因死亡・MI・脳卒中である。
結論
PCSK9阻害薬は全死因死亡・心血管因死亡の有意な減少に関連しなかったが、MI(RR:0.80)・虚血性脳卒中(RR:0.78)・PCI(RR:0.83)リスクの有意な低減と関連した。神経認知障害・肝酵素上昇・横紋筋融解症・新規糖尿病リスク増とは関連しなかった。
評価
同薬はLDL-C低下効果に続き、ASCVD効果に関してもメタ解析可能な段階に達し、イタリアからも同結論が出ている(https://link.springer.com/article/10.1007/s40618-019-01019-4)。この分析はalirocumabとevolocumabの2薬に差があるとしているが、イタリア分析ではbococizumabのMACE効果を否定しており、薬剤種差がある模様である。