人工呼吸器を使って心停止患者に換気すると自己心拍再開が増える?
Automatic Mechanical Ventilation vs Manual Bag Ventilation During CPR: A Pilot Randomized Controlled Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Chest
年月
August 2024
166
開始ページ
311

背景

心停止患者の二次救命処置においては、バッグ・バルブ・マスク(BVM)を用いて換気を行うことが推奨されているが、自動人工呼吸器を用いた換気によって置換えることは可能か?
韓国Seoul National University College of MedicineのShinらは、救急外来に到着した内科的原因による院外心停止(OHCA)患者を、人工呼吸器を用いた換気、またはBVMを用いた用手的換気へと割り付け、自己心拍再開率を比較するパイロットRCTを実施した(n=60)。

結論

自己心拍再開率は、人工呼吸器群56.7%、BVM群43.3%であったが、有意差はなかった。心肺蘇生中の動脈血ガス分析パラメータにも有意な差はなかった。
人工呼吸器群では、一回換気量、分時換気量が有意に少なかった。

評価

救急での人工呼吸器を用いた換気は実施可能であった。
サンプルサイズが小さいこともあってか、有意な差は認められなかったものの、数字の上ではBVM換気を上回る自己心拍再開率を示しており、多施設RCTによる検証を正当化する。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)