頭痛発症24時間以内のCTで陰性の場合、くも膜下出血を疑うべきか
Subarachnoid haemorrhage in the emergency department (SHED): a prospective, observational, multicentre cohort study
背景
イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)が最近策定した動脈瘤性くも膜下出血に関するガイドライン(https://www.nice.org.uk/guidance/ng228)は、発症6時間以内の頭部CT検査で異常所見がないくも膜下出血(SAH)疑診患者では、ルーチン的に腰椎穿刺を行わないことを推奨している。
イギリスの救急研修医のための学術的コラボレーション、Trainee Emergency Research Network (TERN)は、国民保健サービス(NHS)の救急外来88施設を受診した、非外傷性急性頭痛を呈する成人の連続患者(n=3,663)の前向コホートにおいて、SAHの診断における発症からの時間ごとの脳CTのパフォーマンスを評価した。
結論
89.2%にあたる3,268名でCTが実施され、237名でSAHが確認された(有病率 6.5%)。
発症6時間以内のCT(n=772)の感度は97%、陰性適中率は99.6%であり、CT陰性の場合の検査後確率は0.5%、陰性尤度比は0.03であった。
対して発症24時間以内のCTは、感度94.6%、陰性の場合の検査後確率は1%未満であった。動脈瘤性SAHに限ると、発症24時間以内のCTで陰性の場合の検査後確率は0.1%であった。
評価
CT陰性後の動脈瘤性SAHの検査後確率は、発症後24時間まで0.1%と非常に低かった。ただし、SAHの検査後確率は時間と共に上昇しており、CTのみによる除外が可能かどうかは、さらなる研究を要する。


