進行期古典的ホジキンリンパ腫にブレンツキシマブ ベドチン併用療法:HD21
Assessing the efficacy and tolerability of PET-guided BrECADD versus eBEACOPP in advanced-stage, classical Hodgkin lymphoma (HD21): a randomised, multicentre, parallel, open-label, phase 3 trial
背景
PETガイドによるeBEACOPP療法は、古典的ホジキンリンパ腫(cHL)で高い一次有効性を示しているが、急性・晩期毒性が強く、患者に大きな代償を強いることになる。CD30を標的とする抗体薬物複合体、ブレンツキシマブ ベドチンは、進行cHL治療のリスク・ベネフィット比を改善することができるか?
ドイツUniversity Hospital of CologneのBorchmannら(HD21)は、世界9ヵ国233施設の新規診断進行期cHL成人患者(n=1,500)を、eBEACOPP(漸増用量でのエトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、標準用量でのブレオマイシン、ビンクリスチン、プロカルバジン、prednisone)またはBrECADD(ブレンツキシマブ ベドチン、エトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジン、デキサメタゾン)へと割り付け、忍容性および、BrECADD療法の無増悪生存率についての非劣性を確認する第3相RCTを実施した。
eBEACOPP療法およびBrECADD療法は、2サイクル終了時点でのPET評価に基づいて、陰性の場合さらに2サイクル、陽性の場合、さらに4サイクル実施された。
結論
治療関連合併症率はeBEACOPP群で59%、BrECADD群で42%と、BrECADD群で有意に低下した(相対リスク 0.77)。
BrECADDは、追跡期間48ヵ月(中央値)で無増悪生存率を有意に改善した(0.66)。推定4年無増悪生存率はeBEACOPP群90.9%、BrECADD群94.3%、4年生存率は各98.2%、98.6%であった。
評価
cHLで高レベルに発現するCD30を標的とするブレンツキシマブ ベドチン併用のレジメンは、eBEACOPPより良く忍容され、増悪リスクも低下させた。
PFSの結果は過去最良のもので、進行cHLの標準初回治療となりうる。

