オリゴ転移を有する膵がんに対する局所治療追加でPFSが大幅延長
Addition of Metastasis-Directed Therapy to Systemic Therapy for Oligometastatic Pancreatic Ductal Adenocarcinoma (EXTEND): A Multicenter, Randomized Phase II Trial
背景
遠隔転移を有する悪性腫瘍の中でも、転移巣が限られたオリゴ転移(oligometastasis)の患者では転移巣を標的とした局所治療によって予後が改善することが明らかにされつつある。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのLudmirらは、5個以下の転移(オリゴ転移)を有する固形腫瘍患者を対象に、局所療法の有無による無増悪生存期間(PFS)への影響を評価する、バスケットデザインによる第2相試験、EXTEND試験において、膵管がんへの化学療法に包括的転移指向治療(MDT)の有効性を検証した。
結論
2019〜2023年に41名の患者がランダム化された。
PFSの中央値は、MDT群の患者で10.3ヵ月、対照群で2.5ヵ月と、MDT追加により有意に改善した(HR 0.43)。
MDTに関連したグレード3以上の有害事象は認められなかった。
評価
膵管がん薬物療法にオリゴ転移指向治療を追加することで、PFSが大きく改善した。膵管がんでのMDTに特化したエビデンスはこれが初とみられ、今後行われるであろうより大規模な検証に期待がかかる。