原発不明がんへの分子ガイド治療で進行リスク減:CUPISCO
Molecularly guided therapy versus chemotherapy after disease control in unfavourable cancer of unknown primary (CUPISCO): an open-label, randomised, phase 2 study
背景
原発不明がんの予後不良群では、プラチナ製剤ベースの化学療法が標準的に行われるが、生存期間は1年前後である。
ドイツGerman Cancer Research CenterのKramerら(CUPISCO)は、世界34ヵ国159施設で標準的初回プラチナ化学療法(3サイクル)後に病勢コントロールを得た、PS 0-1の腺がん・低分化がん患者を、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)に基づく分子ガイド治療、または化学療法の継続(少なくとも3サイクル)へと3:1で割り付け、無増悪生存期間を比較する第2相国際RCTを実施した。
結論
636名が登録され、病勢コントロールを得た438名のうち436名がランダム化された。
治療意図集団における無増悪生存期間(中央値)は、分子ガイド治療群で6.1ヵ月、化学療法群で4.4ヵ月と、分子ガイド治療により有意に延長した。
分子ガイド治療の関連有害事象の発生率は、おおむね化学療法群と同等か、より低かった。
評価
化学療法を行いながら次世代シーケンシングの結果を待ち、その後CGPに基づく分子治療を行うことで、unfavorableな原発不明がん患者での進行を遅らせることができた。
中国のFudan CUP-001試験(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(24)00313-9)と合わせて、精密医療時代の新しい標準となるべき結果である。