子宮頸がんの発症に寄与するHPV遺伝子型は地域によって差がある
Causal attribution of human papillomavirus genotypes to invasive cervical cancer worldwide: a systematic analysis of the global literature
背景
浸潤性子宮頸がん(ICC)はヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされることが知られている。HPVには、HPV16・HPV18を始め多くの遺伝子型があり、遺伝子型ごとのICC発症への寄与を知ることは、ワクチン接種・スクリーニング戦略にとって重要である。
フランスInternational Agency for Research on CancerのWeiらは、システマティックレビューにより、ICC患者または子宮頸部細胞診が正常な個人におけるHPV遺伝子型別の有病率を報告した研究を特定し、世界・地域・国によるHPV遺伝子型ごとの人口寄与割合を推定した。
結論
HPV陽性ICC患者111,902例、正常子宮頸部細胞診2,755,734件を含む、1,174件の研究が特定された。
17種類のHPV遺伝子型がICCと因果関係にあると考えられたが、オッズ比は最も高いHPV16の48.3から、HPV51の1.4まで幅広かった。グローバルな寄与割合が最も高かったのは、HPV16で(61.7%)、HPV18、HPV45、HPV33、HPV58、HPV31、HPV52と続いた。残るHPV35/59/39/56/51/68/73/26/69/82は合わせて5.3%の寄与割合であった。HPV16/HPV18、HPV16/18/31/33/45/52/58の寄与割合は、アフリカで最も低く(それぞれ71.9%、92.1%)、中央・西・南アジアで最も高かった(83.2%、95.9%)。
評価
子宮頸がんへの寄与は、9価ワクチンで予防可能な7つの型(HPV16/18/31/33/45/52/58)が上位を占めたものの、その割合は地域によって差があった。グローバルなワクチン戦略の最適化に向け、ベースとなるデータを提供する。


