重症大動脈弁狭窄症へのTAVIにインド発バルーン拡張型Myval THVシリーズ:LANDMARK試験
LANDMARK comparison of early outcomes of newer-generation Myval transcatheter heart valve series with contemporary valves (Sapien and Evolut) in real-world individuals with severe symptomatic native aortic stenosis: a randomised non-inferiority trial
背景
バルーン拡張型Myval経カテーテル心臓弁(THV)シリーズは、インド発の経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)デバイスで、直径1.5 mm単位で拡張するため、通常の3 mm単位の生体弁と比較して、大動脈弁輪に合わせて正確にサイズ調整できる。
アイルランドUniversity of GalwayのSerruysら(LANDMARK)は、重症大動脈弁狭窄症患者768名を対象に、Myval THVと、既存THV(Sapien・Evolut)を比較する国際非盲検非劣性RCTを行った。術後30日での一次エンドポイントは、全死亡・脳卒中・出血(VARCタイプ 3/4)・急性腎障害(ステージ 2〜4)・重大血管合併症・中等〜重度の人工弁逆流・恒久的ペースメーカー植込みである。
結論
Myval THVの既存THVに対する一次エンドポイント非劣性を認めた(25% vs. 27%)。いずれのエンドポイント構成要素でも有意差はなかった。
評価
インドを拠点とする医療機器メーカーMeril Life SciencesのMyval経カテーテル心臓弁(THV)シリーズに関するRCT、LANDMARKの1ヵ月結果で、先行デバイスへの非劣性を示した。同シリーズの、特にMyval Octacor(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37028710/)は、2列の八角形セルと拡張時における19%の最小短縮率を備えており、他のどの現代設計にもみられない独自の機能を備えている、という。
著者らは、「中間径という特徴により、より正確なサイズ設定が可能になり、長期的アウトカム改善につながる可能性がある」としている。長期結果の報告が期待される。