敗血症でのβラクタム系抗菌薬、持続的投与の有効性をメタ解析で確認
Prolonged vs Intermittent Infusions of β-Lactam Antibiotics in Adults With Sepsis or Septic Shock: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
βラクタム系抗菌薬は間欠的投与よりも持続的投与のほうが効果が高いのか?これまで臨床試験で繰り返し検証されてきた問題であるが、結果は曖昧で、最近では、7,000人を超える患者を登録したBLING III試験も有意な差を示さなかった。
オーストラリアUniversity of QueenslandのAbdul-Azizらは、敗血症・敗血症性ショックを呈する重症患者を対象に、βラクタム系抗菌薬の持続(延長)投与と間欠投与を比較したRCTを特定し、90日以内の全原因死亡に与える影響を評価するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
計9,108名の重症患者を登録した、18件の試験が特定された。このうち17件から90日死亡のデータがもたらされた。
プールされた90日死亡率は、リスク比0.86で持続的投与のベネフィットを示した(高い確実性)。持続的投与が90日死亡率の低下と関連する事後確率は99.1%であった。持続的投与は、集中治療室での死亡リスクの低下(リスク比 0.84, 高い確実性)、臨床的治癒リスクの増加(リスク比 1.16, 中程度の確実性)と関連した。
評価
BLING III結果(https://doi.org/10.1001/jama.2024.9779)と同時にJAMA誌に公開された。既存のデータも統合すると、持続的投与は、ほぼ確実に敗血症重症患者の死亡率低下と関連した。今後は持続的投与が標準とみなされるだろう。