ICUサバイバーにモバイルアプリのマインドフルネス介入:LIFT2試験
Mobile Mindfulness Intervention for Psychological Distress Among Intensive Care Unit Survivors: A Randomized Clinical Trial
背景
重症患者では、ICUを生存退院した後も、不安や抑うつ、さらには心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに悩まされるケースが多くみられる。
アメリカDuke UniversityのCoxら(LIFT2)は、心肺の急性不全により同国3施設のICUに入室し、退院後に抑うつ症状の悪化がみられた重篤疾患のサバイバーを対象に、1) モバイルアプリまたはセラピストからの電話による介入への誘導、2) 1日1回または2回のマインドフルネス瞑想、3) アプリまたはセラピストとの通話による症状悪化の管理、の三つの要因について計8グループへと割り付ける、2×2×2要因デザインによるRCTを実施した(n=247)。
結論
一次アウトカムであるPHQ-9(9-item Patient Health Questionnaire)抑うつスケールスコアは、1日2回の瞑想により、1ヵ月後(1.2点)・3ヵ月後(1.5点)に、1日1回と比較して有意な低下が認められた。他の2要因についてはPHQ-9に影響を与えなかった。
割り付け群によらずアドヒアランスは高く(87.9%)、継続率も高かった(3ヵ月後で73.7%)。
評価
モバイルアプリを介したマインドフルネスは実行可能であり、特に瞑想を1日2回に増やすことで効果が向上した。
神経症状を抱えたICUサバイバーは多く、アプリを用いた自己主導介入は、スケーラビリティの観点からも大いに有望である。


