コルヒチンは脳梗塞の二次予防にも有効か?:CONVINCE試験
Long-term colchicine for the prevention of vascular recurrent events in non-cardioembolic stroke (CONVINCE): a randomised controlled trial
背景
コルヒチンは『薬物誌』(De Materia Medica)の時代から知られる抗炎症薬であるが、近年、心筋梗塞後の二次予防効果が認められた。では、冠動脈疾患とは機序の異なる脳梗塞においても再発を抑制するのか?
アイルランドMater Misericordiae UniversityのKellyら(CONVINCE)は、心臓塞栓性でない虚血性脳卒中または高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)患者を対象に、ガイドライン準拠の通常ケアに加えて60ヵ月1日0.5 mgのコルヒチン服用、または通常ケアのみを比較する国際RCTを実施した。
一次アウトカムは、虚血性脳卒中再発・心筋梗塞・心停止・不安定狭心症入院の複合である。
結論
COVID-19による予算の制約から、予定のアウトカム数に到達することなく、試験は終了した(3,154名の患者がランダム化)。
一次エンドポイントはコルヒチン群の9.8%、通常ケア群の11.7%で発生した(HR 0.84, 非有意)。100人年あたりの発生数はそれぞれ3.32件、3.92であった。
ベースラインでCRP値は両群同等であったが、1年後、2年後、3年後のCRP値はいずれもコルヒチン群で有意に低かった。
評価
数字の上ではコルヒチンで有利な傾向がみられたものの、有意な差は示されなかった。
試験が早期終了されたという事情に加え、サブグループ解析の結果も有望であり、今後の検証は正当化される。