非侵襲的換気による酸素化で緊急挿管時の低酸素が予防できる：PREOXI

Noninvasive Ventilation for Preoxygenation during Emergency Intubation

原文を読む

背景

重症患者に対する気管挿管では、麻酔導入時にフェイスマスクを用いた前酸素化が一般的であるが、非侵襲的換気（NIV, NPPV）の使用も提案されている。現在まで、2件のRCTが両者を比較しており、うち1件では低酸素リスクの低下が示唆された。
アメリカWake Forest School of MedicineのGibbsら（PREOXI）は、24ヵ所の救急外来・集中治療室で、気管挿管を受ける重傷成人患者を、NIVまたは酸素マスクによる前酸素化へと割り付け、導入から挿管後2分までの低酸素血症（酸素飽和度85%未満）の発生率を比較するRCTを実施した（n=1,301）。

結論

低酸素血症はNIV群の9.1%、酸素マスク群の18.5%で発生した（絶対リスク差 −9.1%）。
心停止はNIV群の1名、酸素マスク群の7名で発生した。誤嚥はそれぞれ6名、9名で発生した。

評価

NPPVによる前酸素化により、低酸素血症が半減し、心停止例も有意に減少した。実践の変更を促すエビデンスとなりえる。