ACLY・HMGCRのバリアント研究はCLEAR Harmony結果をサポートする
Mendelian Randomization Study of ACLY and Cardiovascular Disease
背景
NEJMはATPクエン酸リアーゼ(ACLY)阻害薬bempedoic acidのLDL-C低下効果を示したCLEAR Harmony試験結果を掲載しているが、その効果の遺伝子基礎を探求した論文を併載している。英University of CambridgeのFerenceらは、ACLYとHMGCRのバリアントの遺伝子スコアを開発し、血漿脂質レベル・リポタンパク質レベル・心血管イベントリスク・癌リスクとの関連を比較するメンデルランダム化研究を行った(n=654,783)。
結論
ACLY・HMGCRスコアは、血漿脂質・リポタンパク質レベルの類似の変化パターンと、また同様なLDL-C 10mg/dl減少あたりの心血管イベントリスク低減と関連した(心血管イベントのオッズ比は、ACLYスコアが0.823、HMGCRスコアが0.836)。いずれの遺伝子の生涯抑制も癌リスク増と関連しなかった。
評価
ACLYはコレステロール生合成経路でHMGCRの上流に位置するため、予想された効果である。基礎レベルでCLEAR Harmonyの結果の信頼度を支持するデータを示したが、薬の効果や有害事象とは別の問題である。