狭小弁輪AS患者には自己拡張型TAVRかバルーン拡張型TAVRか:直接対決SMART試験
Self-Expanding or Balloon-Expandable TAVR in Patients with a Small Aortic Annulus
背景
狭小弁輪を伴う重症大動脈弁狭窄症(AS)患者へのTAVRでは、自己拡張型弁(SEV)使用かバルーン拡張型弁(BEV)使用か。
アメリカUniversity of PennsylvaniaのHerrmannら(SMART)は、716名の同患者(弁輪面積 430 mm2以下)を対象として、これを検証する国際RCTを行った。一次エンドポイントは、死亡・重度脳卒中・心不全による再入院の複合(非劣性検定)、および生体弁の機能不全(優越性検定)である(12ヵ月間評価)。
結論
SEVはBEVに対し非劣性基準・優越性基準をともに満たした(非劣性検定で9.4% vs. 10.6%、優越性検定で9.4% vs. 41.6%)。一次安全性エンドポイントに群間有意差はなかった。
評価
Medtronic社ファンドによる長年のテーマに関する大規模直接対決試験で、SEVに軍配を上げる結果を導いた。同テーマの先行RCTは、CHOICE・SOLVE-TAVIだけで、両者とも「差なし」と結論していたが、ともにSMARTより小規模で、使用デバイスの制限も緩い。高リスクグループでのSEV使用選好の良いエビデンスを初めて提示した研究である。