局所進行dMMR大腸がんへの術前ニボルマブ＋イピリムマブで7割にpCR：NICHE-2
Neoadjuvant Immunotherapy in Locally Advanced Mismatch Repair-Deficient Colon Cancer
背景
ミスマッチ修復機能不全（dMMR）の認められる悪性腫瘍に対しては免疫チェックポイント阻害薬が有効であり、転移を有する疾患では標準治療の一部となっている。一方で、遠隔転移のない結腸がんでは最大15%にdMMRが認められるものの、ミスマッチ修復機能不全のない（pMMR）大腸がんと同様に化学療法で治療されることが一般的である。
オランダNetherlands Cancer InstituteのChalabiら（NICHE-2）は、未治療・非転移性の局所進行dMMR結腸がん患者を対象に、ニボルマブ＋イピリムマブによる術前治療を行い、安全性エンドポイント（遅延のない手術）・有効性エンドポイント（3年無病生存率）を評価する医師主導型第2相RCTを実施した（n=115）。
結論
113名で遅延なく手術が行われ、2名で2週間以上の遅延が生じた。グレード3・4の免疫関連有害事象は5名（4%）で発生したが、いずれも治療の中止には至らなかった。
有効性解析（n=111）では109名（98%）に病理学的奏効が、105名（95%）に病理学的大奏効、75名（68%）に病理学的完全奏効が認められた。
フォローアップ期間26ヵ月（中央値）で疾患の再発はなかった。
評価
dMMR結腸がん患者での術前免疫療法は、ほぼ全員に病理学的奏効をもたらし、再発は1件もみられなかった。
現在の標準治療である術後補助化学療法は、期間短縮により毒性は軽減したものの、依然として再発率が高く（https://doi.org/10.1056/NEJMoa1713709）、術前免疫療法はこれを置き換える可能性が高い。
