ビデオ喉頭鏡は手術室挿管でも初回成功率の向上につながる
Video Laryngoscopy vs Direct Laryngoscopy for Endotracheal Intubation in the Operating Room: A Cluster Randomized Clinical Trial
背景
気管挿管におけるビデオ喉頭鏡の有効性については、さまざまなセッティングで検証が進められてきた。
アメリカCleveland ClinicのRuetzlerらは、同病院の11の手術室を二2群に分け、心臓・肺・血管外科手術の全身麻酔のために気管挿管を必要とする成人患者を対象に、初回挿管試行として、ビデオ喉頭鏡または直接喉頭鏡を1週間単位で割り付けるクラスターRCTを実施した。
結論
7,736名の患者で、8,429回の外科手術が行われた。このうち85%は待期的手術であった。
2回以上の挿管試行が必要となったのは、ビデオ喉頭鏡群で1.7%、直接喉頭鏡群では7.6%であり、試行回数の比例オッズ比は0.20であった。
挿管失敗(デバイスの変更または3回を超える試行)は、ビデオ喉頭鏡群の0.27%、直接喉頭鏡群の4.0%で発生した(相対リスク 0.06)。気道・歯牙損傷の発生率は各群0.93%、1.1%と有意差はなかった。
評価
手術室での使用においても、ビデオ喉頭鏡が初回挿管失敗率・挿管失敗率の低下をもたらすことを実証した。単施設での検証ゆえ、一般化可能性の問題があるものの、大規模な試験であり、ビデオ喉頭鏡のスタンダード化を裏付けるエビデンスとなる。