小児の軽症頭部外傷でのCT必要性を血液検査で判定する
Serum S100B Level in the Management of Pediatric Minor Head Trauma: A Randomized Clinical Trial
背景
小児患者ではCTの使用を最小化する必要がある。CTの必要性を判断する検証済みの臨床意思決定ルールが存在している他、脳の損傷と関連するバイオマーカーを用いた意思決定も試みられいている。
フランスCentre Hospitalier Universitaire (CHU) Clermont-FerrandのBouvierらは、軽症頭部外傷の小児に対する治療として、現在の推奨に基づく頭部CT検査と血清S100Bタンパク質レベルに基づく管理を比較するため、同国11施設の大学病院を順番に対照治療から試験治療へと切り替える、ステップウェッジ方式によるクラスターRCTを実施した。
結論
2,078名の患者が研究の対象となった。
頭部CT実施率は、対照群で32.3%、S100Bモニタリング群で9.7%であった。ただし、クラス内相関係数が0.32、調整済み相対リスクは0.87であり、有意差は認められなかった。
入院率は、対照群で91.7%、S100B群で41.6%と、S100B群で50%低下し、入院コスト(中央値)も、498ユーロから181ユーロに低下した。
評価
一次エンドポイントの差を示すことはできなかったものの、試験が設定したアルゴリズムに従った施設のみを対象とした事後解析では、S100Bモニタリングにより頭部CT推奨が有意に減少したことが示された。入院によるモニタリングの必要性も軽減されており、軽症頭部外傷の意思決定において有用な検査と言える。


