運動のベネフィットは無症候性CACのリスクを上回る
Association of All-Cause and Cardiovascular Mortality With High Levels of Physical Activity and Concurrent Coronary Artery Calcification
背景
アスリートに冠動脈プラークが多い、あるいは無症候性冠動脈石灰化(CAC)保有者の運動は高リスクである等の推測があるが、エビデンスはどうか。Texas Health Presbyterian HospitalのLevineらは、Cooper Center Longitudinal Study参加健常中年男性21,758名の長期追跡データを解析した。一次アウトカム・指標は、全原因・心血管因死亡である。
結論
3000 MET-min/wk以上の身体活動にCACリスク増を認めた。他方、100AU未満のCAC保有者では、3000 MET-min/wk以上の身体活動による全原因死亡リスク減を認めた(HR:0.52)。また、CAC >100AUで3000 MET-min/wk以上の場合に一次アウトカムリスクが上がることはなかった。
評価
運動しすぎると動脈硬化が進行しやすい、またCACの高い人は激しい運動をしない方がよい、という近年しばしばみられる議論を退け、「運動のベネフィットは無症候性CACのリスクを上回る」という単純な結論を提示した。

