CABGでの内胸動脈両側使用は無意味
Bilateral versus Single Internal-Thoracic-Artery Grafts at 10 Years
背景
ARTは、CABGでは両側の内胸動脈グラフトを使用する方がよい、という仮説を検証する大規模本格臨床試験であった。同試験のTaggartら(イギリスJohn Radcliffe Hospital)は、その10年結果を発表している。患者は両側・片側群にランダム化し(両側:n=1,548、片側:n=1,554)、適応があれば追加で動/静脈グラフトを採取した。一次アウトカムは10年時点における全死因死亡である。
結論
両群間に、一次アウトカム差はなかった。脳卒中等二次複合アウトカムにも有意差はなかった。
評価
1・5年結果を裏書きして最終的に「差なし」としたが、著者らは術者の技量に依存する可能性を指摘し、「結論」では複数の動脈使用がよりよい可能性はまだある、としている。