センチネルリンパ節転移が1~2個の乳がん患者ではリンパ節郭清を回避できる:SENOMAC
Omitting Axillary Dissection in Breast Cancer with Sentinel-Node Metastases
背景
ACOSOG Z0011試験の結果(https://doi.org/10.1001/jama.2011.90)が報告されて以降、センチネルリンパ節(SLN)が転移陽性の患者であっても、場合によって腋窩リンパ節郭清(ALND)を省略可能であるとする考えが広まった。
スウェーデンKarolinska Institutetのde Bonifaceら(SENOMAC)は、ヨーロッパ5ヵ国67施設で、臨床的にリンパ節転移陰性、かつマクロSLN(2 mm超)転移を1~2個有するT1~T3乳がん患者を、ALND省略群またはALND実施群へと割り付け、ALND省略の非劣性を検証する第3相RCTを実施した(n=2,766)。
結論
ALND省略群の89.9%、ALND実施群では88.4%がリンパ節を含む放射線治療を受けた。
推定5年無再発生存率はALND省略群89.7%、ALND実施群88.7%、再発・死亡の調整ハザード比は0.89であり、信頼区間の上限(1.19)は非劣性マージン(1.44)を下回った。
評価
これまでで最多の患者を登録したRCTで、選択された患者でALNDが省略可能とする先行結果を確認した。
NEJM Editorialは、画像診断・ゲノム検査・術前/術後治療の進歩した現代における腋窩郭清の意義そのものを問い直している。