救急外来での禁煙介入は少数の患者に長期的な効果を持つ:COSTED試験
Cessation of Smoking Trial in the Emergency Department (COSTED): a multicentre randomised controlled trial
背景
救急外来を受診する患者は喫煙率が高いとされる。そのため、救急受診を介入の貴重な機会と捉え、禁煙介入を実施する研究が行われてきており、有望とみられている。
イギリスUniversity of East Anglia のPopeらは、2022年1月〜8月に同国6ヵ所の救急外来を受診した成人喫煙者を、禁煙介入群(短時間の禁煙アドバイス、電子タバコのスターターキット、禁煙支援サービスへの紹介)または対照群(禁煙支援サービスのパンフレットのみ)へと割り付け、6ヵ月後の禁煙率(呼気一酸化炭素レベルにより生化学的に確認)を比較する多施設RCTを実施した(n=972)。
結論
287名が追跡不能となった。
生化学的に確認された6ヵ月禁煙率は、介入群で7.2%、対照群で4.1%と介入群で上昇した(相対リスク 1.76)。また、自己申告による過去1週間の禁煙率は各群23.3%、12.9%であった(相対リスク 1.80)。
評価
救急での、機会的禁煙介入は6ヵ月後の禁煙成功率を有意に高めた。昨年には、YaleでのRCTでも救急外来におけるマルチコンポーネント介入の有効性が示されており(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2022.08.018)、コンポーネントの組み合わせの最適化が今後の研究の焦点となる。