心血管疾患の家族歴リスクは魚を含む食事で相殺できるか
Role of Polyunsaturated Fat in Modifying Cardiovascular Risk Associated With Family History of Cardiovascular Disease: Pooled De Novo Results From 15 Observational Studies
背景
油性魚類・植物油・ナッツ等のn-3・n-6多価不飽和脂肪酸(PUFA)の、心血管疾患(CVD)予防効果が知られているが、PUFAの摂取は、CVD家族歴を有する高リスクグループのリスクも修飾できるか?
スウェーデンKarolinska InstitutetのLaguzziらは、世界10ヵ国15件の観察研究のデータを用い、CVD歴のない成人患者の長期的CVDリスクに対する、PUFAレベル・CVD家族歴の相互作用を評価した(n=40,885)。
結論
エイコサペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸(EPA/DHA)レベルの低さ(25パーセンタイル)には、CVD家族歴との間に有意な相互作用が認められた(統合相対リスク 1.09)。
低EPA/DHAかつCVD家族歴を有する個人では、CVDの相対リスクが1.41であり、家族歴のみでは1.25、低EPA/DHAのみでは1.06であった。
評価
高信頼度のKarolinska大規模研究で、検討された3種のPUFAのうち、EPA/DHAのみがCVDリスクと有意に関連していた。CVDの家族歴を有する個人であっても、魚油などを積極的に摂取することでリスクをある程度軽減できる可能性を示した、心強い結果である。