左冠動脈主幹部病変に対する血行再建術後の再入院・死亡リスクでCABGはPCIに優る:EXCELサブスタディ
Incidence, Predictors, and Impact of Hospital Readmission After Revascularization for Left Main Coronary Disease
背景
EXCEL試験は、低〜中等度左冠動脈主幹部病変(LMCAD)患者を対象として、エベロリムス溶出ステントとCABGを比較するランドマーク試験であった。
同試験のアメリカIcahn School of Medicine at Mount SinaiのStoneらは、LMCADに対するPCIおよびCABG後の再入院の発生率・予測因子・臨床インパクトを比較検討するサブスタディを行った(n=1,905)。
結論
5年以内に、45.2%の患者で1,868件の再入院が発生し(1人当たり平均2.2件)、約半数は心血管疾患によるものであった。
1回以上の再入院は、PCI群がCABG群より多かった。再入院の発生は、その後の全死亡と独立して関連しており、PCI群の方がCABG群より死亡リスクが高かった(aHR 5.72 vs. 2.72)。
評価
EXCEL試験は、当初は、LMCAD患者でのPCIのCABGに対する非劣性を示すものとみられた。ここでの部分解析は、再入院という重要指標に関する初めての検討であるとともに、同試験の中長期の結果を示すものである。この重要指標に関して、中長期ではCABGがPCIより優る、というここでの結論は、両技法の優劣に未だ最終決着がついていないことを示す。