左冠動脈主幹部病変に対する血行再建術後の再入院・死亡リスクでCABGはPCIに優る:EXCELサブスタディ
Incidence, Predictors, and Impact of Hospital Readmission After Revascularization for Left Main Coronary Disease

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
March 2024
83
開始ページ
1073

背景

EXCEL試験は、低〜中等度左冠動脈主幹部病変(LMCAD)患者を対象として、エベロリムス溶出ステントとCABGを比較するランドマーク試験であった。
同試験のアメリカIcahn School of Medicine at Mount SinaiのStoneらは、LMCADに対するPCIおよびCABG後の再入院の発生率・予測因子・臨床インパクトを比較検討するサブスタディを行った(n=1,905)。

結論

5年以内に、45.2%の患者で1,868件の再入院が発生し(1人当たり平均2.2件)、約半数は心血管疾患によるものであった。
1回以上の再入院は、PCI群がCABG群より多かった。再入院の発生は、その後の全死亡と独立して関連しており、PCI群の方がCABG群より死亡リスクが高かった(aHR 5.72 vs. 2.72)。

評価

EXCEL試験は、当初は、LMCAD患者でのPCIのCABGに対する非劣性を示すものとみられた。ここでの部分解析は、再入院という重要指標に関する初めての検討であるとともに、同試験の中長期の結果を示すものである。この重要指標に関して、中長期ではCABGがPCIより優る、というここでの結論は、両技法の優劣に未だ最終決着がついていないことを示す。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)