次世代便DNA検査は便潜血検査よりも高感度:BLUE-C
Next-Generation Multitarget Stool DNA Test for Colorectal Cancer Screening
背景
便中の血液により大腸がんを検出する便潜血検査は、長らく大腸がん検診のスタンダードであるが、早期大腸がんを含む一部のがん十分な感度がない。便中のヘモグロビンと大腸腫瘍由来マーカーを検出する便DNA検査は、便潜血検査のオルタナティブとして期待されており、第一世代マルチターゲット便DNA検査Cologuardは、免疫法便潜血検査(FIT)を上回る検出率を示している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1311194)。
アメリカIndiana University School of MedicineのImperialeら(BLUE-C)は、特異度が高まるよう改善された次世代Cologuardについて、FITと比較した大腸がん・進行前がん病変検出パフォーマンスを検証するため、大腸内視鏡検診を受ける無症状の成人(40歳以上)を対象とした前向研究を実施した(n=20,176)。
結論
検診の結果、98名が大腸がん、2,144名が進行前がん病変(advanced precancerous lesions)、6,973名が非進行腺腫(nonadvanced adenomas)を有した。
大腸がんに対する次世代便DNA検査の感度は93.9%、advanced neoplasiaに対する特異度は90.6%であった(FITでは各67.3%、94.8%)。また、進行前がん病変に対する感度は43.4%、腫瘍所見なし・陰性に対する特異度は92.7%であった(FITでは23.3%、95.7%)。
FITと比較すると次世検査は、大腸がんおよび進行前がん病変に対する感度に優れ、advanced neoplasiaに対する特異度は低かった。
評価
第一世代との直接比較ではないものの、次世代のCologuardではadvanced neoplasiaへの特異度が数値上改善し、かつ大腸がんへの高い感度も維持された。感度が高いため、FITのように毎年の検査を必要としない点は大きな利点である。
NEJMは、血中遊離DNAを用いた大腸がん検診報告を併載している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2304714)。