アルコール使用障害と自殺との関連の性差を否定:系統的レビュー・メタアナリシス
Sex-Specific Association of Alcohol Use Disorder With Suicide Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
アルコール使用障害(AUD)と自殺との関連に性差の存在が示唆されているが、過去の系統的レビュー・メタアナリシスはそれを否定している。
カナダCentre for Addiction and Mental HealthのLangeらは、24件の研究(n=37,870,699:男性59.7%、女性40.3%)を対象として、AUDと自殺死亡との性別特異的な関連性を推定する系統的レビュー・メタアナリシスを行った。
結論
性別特異的メタ回帰モデルにより、男性(対数オッズ比 0.68)と女性(対数オッズ比 1.41)の双方で、研究デザイン(縦断研究と横断研究)が、観察されたAUDと自殺死亡との関連に影響を及ぼすことが示された。
縦断研究では、男性・女性のプール化オッズ比は各2.68・2.39であった。
評価
方法論にまで目配りした初めてのメタアナリシスにより、AUDと自殺との性差特異的関連性を否定した。ただし、横断研究では性差が認められる(女性のオッズが高い)としており、方法論的に長期研究に軍配を上げた結論である。