ACS後死亡リスク予測にはNT-proBNPとGDF-15
Association of Multiple Biomarkers With Risk of All-Cause and Cause-Specific Mortality After Acute Coronary Syndromes: A Secondary Analysis of the PLATO Biomarker Study
背景
バイオマーカーによる急性冠症候群(ACS)予後予測に関し様々な検討が行われてきている。スウェーデンUppsala UniversityのLindholmらは、トリカグレル/クロピドグレルの有効性を比較したPLATO試験参加患者17,095名のデータを二次解析した。一次アウトカムは、全死因死亡・心筋梗塞・心突然死/不整脈・出血・介入処置・心血管因死亡・非心血管因死亡である。 検討したバイオマーカー(ベースライン値)は、シスタチンC・GDF-15・hsCRP・hsTn-I/T・NT-proBNPであった。
結論
全死因死亡に関しては、NT-proBNP・GDF-15が有意なマーカーであった(それぞれHR:2.96・HR:2.65)であった。HRは、心不全に関してはNT-proBNPが8、CRP・GDF-15・シスタチンCが3であり、心突然死/不整脈に関しては、NT-proBNPは4、GDF-15は2であった。GDF-15は、他の心血管因因・非心血管因死亡子や出血による死亡の最も強いマーカーであった(HR:4.91)。
評価
AMI・心不全を含めれば多数の類似研究がある主題だが、ACSに限定して比較的新しいGDF-15の重要性(https://www.ingentaconnect.com/content/ben/ccr/2016/00000012/00000001/art00008)を確認して、臨床的汎用を促した。