褐色細胞腫・パラガングリオーマで初のランダム化試験、スニチニブが効果示す:FIRSTMAPPP
Sunitinib for metastatic progressive phaeochromocytomas and paragangliomas: results from FIRSTMAPPP, an academic, multicentre, international, randomised, placebo-controlled, double-blind, phase 2 trial
背景
褐色細胞腫・パラガングリオーマ(傍神経節腫)は、10万人あたり診断件数が年1人未満の非常に稀な腫瘍で、クロム親和性細胞から発生し、カテコールアミンの過剰分泌を特徴とする。悪性例では化学療法などが行われるが、稀少性ゆえ特定の治療を検証するRCTが行われたことはない。
フランスUniversity Paris SaclayのBaudinら(FIRSTMAPPP)は、ヨーロッパ4ヵ国、14施設で募集された悪性・転移性の褐色細胞腫・パラガングリオーマ患者を、経口スニチニブ(37.5 mg/日)またはプラセボによる治療へと割り付け、無増悪生存率への効果を検証する第2相国際共同RCTを実施した。
結論
2011〜2019年に、78名の患者が登録された。32%は生殖細胞系列にSDHx変異を有し、69%が前治療歴を有した。
12ヵ月無増悪生存率は、スニチニブ群36%、プラセボ群19%であった。
スニチニブ群の3名が死亡し、うち直腸出血による1名は薬剤関連と考えられた。プラセボ群では2名が死亡した。
評価
8年をかけ、褐色細胞腫・パラガングリオーマに初のRCTエビデンスをもたらした。スニチニブが悪性例でのファーストライン治療となる。

