メラノーマ切除後の免疫療法にmRNAベースの個別化がんワクチンを追加：KEYNOTE-942
Individualised neoantigen therapy mRNA-4157 (V940) plus pembrolizumab versus pembrolizumab monotherapy in resected melanoma (KEYNOTE-942): a randomised, phase 2b study
背景
免疫チェックポイント阻害薬は、登場以来、切除可能な悪性黒色腫の標準治療に加わっているが、依然として多くの患者は再発する。
アメリカLaura and Isaac Perlmutter Cancer Center at NYU Langone Health（KEYNOTE-942）のWeberらは、mRNAベースの新規個別化ネオアンチゲン療法、mRNA-4157（V940）の有効性を検証するため、アメリカ・オーストラリアの完全切除後の高リスク悪性黒色腫患者を対象に、mRNA-4157＋ペムブロリズマブ併用とペムブロリズマブ単剤療法を2：1で割り付ける第2b相RCTを実施した。
結論
初回解析（n=157）におけるフォローアップ期間（中央値）は、各群23ヵ月、24ヵ月であった。
無再発生存期間はmRNA-4157併用療法群で延長した（HR 0.561）。再発・死亡イベント率は併用療法群22%、ペムブロリズマブ群40%であり、18ヵ月無再発生存率はそれぞれ79%、62%であった。
治療関連有害事象は大半がグレード1・2であり、グレード3以上の有害事象は併用群の25%、単剤群の18%に認められた。また、mRNA-4157に関連するグレード4以上の有害事象は認められなかった。
評価
次世代シーケンサーによる患者個別プロファイリングに基づき、最大34のネオアンチゲン（遺伝子変異由来の抗原）をコードするmRNA脂質ナノ粒子製剤（Moderna創薬）であり、この第2相試験では、ペムブロリズマブへの追加で再発を4割抑制する効果を示した。この結果を受けて、1,000人超の登録を予定する第3相V940-001試験が開始されている（https://clinicaltrials.gov/study/NCT05933577）。
