PDA児に対する早期イブプロフェン投与の決定的RCT、結果は:Baby-OSCAR
Trial of Selective Early Treatment of Patent Ductus Arteriosus with Ibuprofen
背景
動脈管開存症(PDA)治療へのシクロオキシゲナーゼ阻害薬イブプロフェン利用の試みがあるが、結果は不一致である。
カタールのGuptaら(Baby-OSCAR)は、超早産児(在胎23週0日〜28週6日に出生)の大きなPDA(動脈管径1.5 mm以上で左右短絡血流増を伴う)に対する早期イブプロフェン投与(生後72時間以内)の効果・安全性を評価するRCTを行った(n=653, 対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、最終月経後週齢36週の時点における死亡または中等〜重度の気管支肺異形成症の複合である。
結論
早期イブプロフェン投与の一次アウトカムに対する効果を認めなかった(調整リスク比 1.09)。死亡率は実薬群が非有意に高かった(調整リスク比 1.32)。イブプロフェン関連の可能性のある重篤な有害事象が2件発生した。
評価
不一致の多かった仮説を決定検証すべく英グループが主導した多国籍大規模RCTだったが、効果を見出せなかった。決定的な結果ともみえるが、NEJM Editorialは、「早期非経口投与は安全であると考えられ、外科的/経カテーテル的閉鎖の必要性を軽減できる可能性がある」と難解な見解を述べている。