複雑冠動脈病変へのPCIではOCTかIVUSか
Guiding Intervention for Complex Coronary Lesions by Optical Coherence Tomography or Intravascular Ultrasound
背景
PCIにおける光干渉断層法(OCT)ガイドと血管内超音波(IVUS)ガイドの優劣・適応は、未決の問題である。
韓国University of UlsanのParkらは、OCTIVUS試験における複雑冠動脈病変の事前規定主要サブグループ解析により、この問題を検討した(n=2,008)。
対象病変は、非保護左冠動脈主幹部病変・分岐部病変・大動脈開口部病変・慢性完全閉塞・高度石灰化病変・ステント内再狭窄病変・びまん性長病変・多枝PCIであり、一次アウトカムは、心疾患因死・標的血管関連心筋梗塞・標的血管血行再建術再施行の複合である。
結論
参加者の48.7%がOCTガイド下PCI、51.3%がIVUSガイド下PCIを受けた。
追跡期間中央値2.0年で、一次アウトカムはOCTガイド群で6.5%、IVUSガイド群で7.4%に発生し、有意差はなかった。造影剤腎症の発生率にも差はなかった。手技関連重大合併症の発生率は、OCTガイド群の方がIVUSガイド群より低かった(1.7% vs. 3.4%)。
評価
大きくは、OCTの方が難度が低そうで評価能には大差がなさそうである、ということになるが、統計的検出力が不十分で、一次試験のサブグループ解析という限界と相まって、決定的な結論を引き出せない。両者の適応の細密な決定には、なお時間がかかる。