複雑冠動脈病変へのPCIではOCTかIVUSか
Guiding Intervention for Complex Coronary Lesions by Optical Coherence Tomography or Intravascular Ultrasound

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
January 2024
83
開始ページ
401

背景

PCIにおける光干渉断層法(OCT)ガイドと血管内超音波(IVUS)ガイドの優劣・適応は、未決の問題である。
韓国University of UlsanのParkらは、OCTIVUS試験における複雑冠動脈病変の事前規定主要サブグループ解析により、この問題を検討した(n=2,008)。
対象病変は、非保護左冠動脈主幹部病変・分岐部病変・大動脈開口部病変・慢性完全閉塞・高度石灰化病変・ステント内再狭窄病変・びまん性長病変・多枝PCIであり、一次アウトカムは、心疾患因死・標的血管関連心筋梗塞・標的血管血行再建術再施行の複合である。

結論

参加者の48.7%がOCTガイド下PCI、51.3%がIVUSガイド下PCIを受けた。
追跡期間中央値2.0年で、一次アウトカムはOCTガイド群で6.5%、IVUSガイド群で7.4%に発生し、有意差はなかった。造影剤腎症の発生率にも差はなかった。手技関連重大合併症の発生率は、OCTガイド群の方がIVUSガイド群より低かった(1.7% vs. 3.4%)。

評価

大きくは、OCTの方が難度が低そうで評価能には大差がなさそうである、ということになるが、統計的検出力が不十分で、一次試験のサブグループ解析という限界と相まって、決定的な結論を引き出せない。両者の適応の細密な決定には、なお時間がかかる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)