薬物間相互作用についてのアラートを適正化すると危険な薬剤併用が減る
The effect of computerised decision support alerts tailored to intensive care on the administration of high-risk drug combinations, and their monitoring: a cluster randomised stepped-wedge trial
背景
薬物間相互作用(drug-drug interactions)による副作用を減らすためのアプローチとして、臨床意思決定サポートシステムへのDDIアラートの組み込みが一般化している。しかし、臨床的に重要でないアラートが頻発することで「アラート疲れ(alert fatigue)」が引き起こされたり、アラートが無視されたりするという事態も報告されている。
オランダAmsterdam UMCのBakkerらは、集中治療室(ICU)セッティングに合わせて高リスクの潜在的DDIのみにアラートを発するよう調整された臨床意思決定サポートシステムを、同国9ヵ所のICUに1ヵ月1ヵ所ずつ段階的に導入する、ステップウェッジ方式クラスターRCTを実施し、調整されたDDIアラートがアラート疲れを軽減し、DDIイベントを防止する、という仮説を検証した。
結論
期間中、ICUに入室した患者10,423名のうち、9,887名が含まれた。
薬剤投与1,000回あたりの高リスクな薬剤の組み合わせによる投与数は、介入群で平均26.2件、対照群で平均35.6件であった。クラスターや予後因子について調整すると、DDIアラートの調整は、高リスク投与を12%削減した。
評価
臨床的重要性の低いアラートによって引き起こされる、アラート疲れとアラートの無視は、システムの価値と患者の安全を損なう重大な問題であった。本研究では、ICU用に調整されたシステムを導入することで、高リスクな組み合わせの投与が減少し、こうした組み合わせが回避できない場合でもモニタリングが改善された。


