心不全患者に対する心臓再同期・除細動治療の長期有益性を報告:RAFT試験
Long-Term Outcomes of Resynchronization-Defibrillation for Heart Failure
背景
RAFT試験は、心不全患者に対する心臓再同期療法(CRT)が、植込み型除細動器(ICD)のみ使用に対し、5年生存率が高いことを示した。
同試験のカナダHalifax InfirmaryのSappらは、その長期結果を報告している(中央値7.7年, n=1,798)。
NYHA II/III 心不全で、LVEF30%以下、QRS幅120 msec以上(またはペーシングQRS幅200 msec以上)の患者を、ICDのみ植え込み群と、CRT機能付き除細動器(CRT-D)植え込み群に割り付けた。一次アウトカムは全死因死亡である。
結論
死亡はICD群の76.4%、CRT-D群の71.2%に発生し、死亡までの期間はCRT-D群がICD群よりも長いとみられた(加速係数 0.80)。
二次アウトカム(全死因死亡、心臓移植、補助人工心臓の植込みの複合)に群間差はなかった。
評価
著者らの結論は、CRT-Dの有益性は長期にわたる、というものである。RAFT試験の患者は15年以内に80%が死亡するといい、この長期追跡結果でも死亡率に対する効果は劇的とは言えない。QOLへの効果が重視されることになる。

