冠閉塞なき狭心症（ANOCA）患者ではまず運動負荷心電図所見に注目

Rethinking False Positive Exercise Electrocardiographic Stress Tests by Assessing Coronary Microvascular Function

原文を読む

背景

閉塞性冠動脈疾患がない狭心症（ANOCA）患者の評価には、問題が多い。
イギリスKing’s College LondonのSinhaらは、102名のANOCA患者を対象として、アデノシン・アセチルコリン利用内皮非依存性／依存性機能評価と運動負荷心電図検査の有用性を検討した。

結論

32名が運動負荷心電図検査で虚血徴候（ST低下）を示し、この全員に生理学的検査で、内皮非依存性／依存性機能障害（冠微小血管機能不全：CMD）を証明した。他方、運動負荷心電図検査中にST低下のなかった70名中46名にもCMDが証明された。

評価

運動負荷心電図検査陽性だが、侵襲検査陰性という症例に対する誘発機能検査アプローチの有益性を強調するデータで、JACC Editorialは、運動負荷心電図という古き良き検査法を軽視してはならない、と論じている。