「レシピエントの中で成長する」画期的心部分移植の成功を確認
Partial Heart Transplant in a Neonate With Irreparable Truncal Valve Dysfunction
背景
従来の人工弁は成長しないため、心臓弁機能不全で弁移植を受けた新生児は、心臓の成長が止まるまで複数回の手術を受ける必要がある。
アメリカDuke UniversityのTurekらは、2022年に初めて行われた、低酸素性虚血性脳損傷となったドナー新生児の大動脈弁と肺動脈弁を含む心臓の一部を移植する部分心臓移植の症例(総動脈幹症新生児)の1年結果を報告している。
結論
ドナー新生児から移植された心臓の一部である大動脈弁と肺動脈弁は、レシピエントの心臓と共に成長しており、血行動態機能にも問題がなかった。レシピエント児は21ヵ月を超えて順調に生育している。
評価
画期的な部分心移植の目覚ましい成功報告である。Dukeでは引き続き、大動脈弁狭窄症・TOF・両室流出路閉塞例に対し同移植術を行っている、という。同グループが提唱する「ドミノ移植」の概念を支持する高ポテンシャルの結果である。

